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入った店は雑貨屋だった。

クリスマスが近いからか

店内はクリスマス一色に染まっていて

アクセサリーが置いてある場所には

“人気モデル再入荷!クリスマスプレゼントにどうですか?”

と書かれた小さなポップが置かれていた。

それを横目に通りすぎて

店内をうろうろと歩き回れば

店内の角に置かれた小さなツリーを見つけた。

「なまえ、これ買って帰ろっか」

「いいの?」

「うん、俺も欲しいから」

買ってくるからちょっと待ってて、と

商品を片手にその場を離れてレジへと向かう。

その時に通ったアクセサリー売り場のアクセサリーが

店内の電気に反射してキラキラしていた。


林檎の毒に浮かされて

(喜ぶ君の顔が見たくて、なんて)


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