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「臨也」
クイッと左袖が後ろに引かれて歩く足を止めた。
「どうしたの、なまえ?」
左斜め後ろを歩いていたなまえは
ショーウィンドウの方を物珍しそうに見ていて
「綺麗ね」と小さく呟いた。
なまえの見ている方に視線をやれば
小さなクリスマスツリーが飾られている。
こういう事は彼女と外出すると良くある事で
普通ならクリスマスツリーの何が珍しいのだろう…と思うところだけれど
今まではクリスマスどころか他のイベント事に無縁の生活を送っていたなまえにとっては初めての事
キラキラと目を輝かす彼女がとても愛らしい。
「臨也、木がお洒落してるわ」
「そうだね、キラキラしてる」
「うん」
目を細めてもう一度「綺麗」と呟いたなまえに
「ちょっと入ろっか」と彼女の手をとって
ツリーを飾る店に入った。
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