02
とにかく、早く家に帰ろうと足を動かす。
道中、何度も走りながら部屋の映像を確かめたけれどなまえの姿はなかった。
一体、どこへ行ったのだろう…
たまたまカメラに映らない位置にいるのであれば良いけれど…
また怪我はしていないだろうか??
まだ、息をしているだろう、か??
なんて嫌な考えばかり浮かんできてゾッと背筋が冷えた。
(まだ、一人に、しないでよね…)
静かな街路地に俺の靴が地面にぶつかる音が響いて
バクバグと嫌に高鳴る心拍がやけに耳に響く。
ふと、遠くの方から嫌な音が聞こえて俺は足を止めた。
前方からは赤いランプがチカチカと闇を気持ち悪く照らし
白い車体が機械音をけたたましく鳴らして俺の横を通って行った。
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