02
she side:
「元気になってよかったにゃー」
ふさふさの毛が気持ちよくて
ソファーの上でじゃれながら何度も撫でる。
数日前に岸谷先生に診てもらった子猫は
連れ帰った頃と比べると
だいぶ元気になって
食事もとってくれるようになった。
「綺麗な黒色…」
どこか同居人の彼に似てるなと思いながら
その艶やかな黒色の毛並みに手を伸ばして撫でていると
「にゃー」と鳴いてはペロペロと腕を舐め始めた。
私は子猫を抱き寄せて
ふわふわの毛に少しだけ顔を埋めながら
「お腹へったにゃー?」と聞けば
「にゃー」と返ってくる返事に
笑いながら体を起こして
チャット中の臨也に「臨也、ご飯ですにゃ」と言えば
「わかった」と臨也は椅子から腰をあげて
私の手をとりキッチンへ向かう。
気付けば怪我をしている私は
臨也に「危ないから一人でキッチンに立ったら駄目だからね」と言われて
こうして臨也か波江に一緒にいてもらわないと
コンロも使えないのだ。
: side end
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