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池袋にある小さなケーキ屋

ショートケーキが美味しいと情報を手に入れ

仕事を波江に押し付けてなまえを連れてきた。

「なまえ、おいしい?」

「うん」

「よかったね」

皿にのったショートケーキを

一口サイズにフォークで切って

彼女が口に運んでいくのを

俺はコーヒー片手に眺める。

クリームを掬っては口にするなまえは幸せそうで

そんな彼女の姿を見て思わず頬が緩む。

可愛い、なんて思いながら

カチャリと小さく音をたてて珈琲を啜った。

気に入ってくれたみたいでよかった

黙々とケーキを食べる姿にそう思いながらなまえを見ていたら

「臨也」

「ん?」

スッとケーキの上にのっている苺をフォークで刺して

なまえが俺の口元まで持ってきた。

「食べていいの?苺好きじゃなかったっけ?」

「私ばっか食べて、臨也食べてないから」

だから食べて、と唇に苺を当てられた。

素直に口を開ければ苺が入れられる。

苺についたクリームの甘ったるい味と

噛めば甘酸っぱい味が口内に広がった。

「臨也、美味しい?」

「うん、美味しいよ」

「ありがとう」と言いながら頭を撫でてみれば

「どういたしまして」となまえはニコリと笑った。

ああ、可愛い!なまえラブ!!

なんて、思いながら

テーブルに肘をついて見つめていたら。

「臨也」

「ん?」

「臨也は、幸せ?」

「幸せだよ」

だってなまえと一緒の時間を過ごしているんだから。

なんて言うと

なまえは頬を少し赤く染めて

「私もね、幸せ」と呟いてケーキを口の中に入れた。



幸せのお裾分け



(それは、ケーキを食べてるから?)
(んーん、臨也が笑ってるから)
(そっか(きゅん))


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