前触れ

真っ青というには何か足りない。そんな空だった。晴れ渡っているのに、気分が良くなるようなものではなく、ただ静かでもの寂しい空だった。得体のしれない不安、みたいな昔の作家の書くような思いが全身を駆け巡る。何かに怯えるかのように、野良猫は身体を縮めていた。鳥に至っては鳴き声すら聞こえない。何か起こるのかもしれない。なぜかそう思われた。

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