短編 | ナノ


※女主

「てるちゃーん!」
「なまえちゃーん!」
久方ぶりに会う幼馴染みのてるちゃんは何故か最近有名な団子屋の前掛けをしていて、何処か疲れたようだった。
「あれ、てるちゃん忍者として就職したんじゃなかったっけ?」
「…それが、」
てるちゃんは溜め息を吐きながら口を開いた。
要約するとてるちゃんが働いていたところに毎度お馴染み忍術学園三人組が来てまぁ後は察して欲しい。
てるちゃんはモグモグと口を動かし団子を咀嚼している。あ、この団子めっちゃ美味しい。
てるちゃんはずっと前から忍者として就職したいって言ってたんだけど、行く先々で例の三人組が来てクビになったり、調理場にさせられたりと保健委員会も吃驚な不運に見回れるのだ。いや、このアニメではお約束なのかもしれないのだけれども。
「でさー、なまえに頼みがあるの!」
「頼み?」
「そう。」
こくりと頷いたてるちゃんに視線を向ければてるちゃんは私にぐいぐいと近付いてきっと目力を強くする。てるちゃんは綺麗な顔をしているからそんなに見つめられたらちょっと照れちゃうなぁ。
「あのさ、なまえの働いている城にあたしを売り込んでくれない?」
「てるちゃんを?」
「ええ!」
うーん、どうなんだろう。
てるちゃんは確かに優秀なくの一だし、経験豊富だし。でも今うち忍者募集してないから、どうなんだろう。一先ずてるちゃんの顔を離してからお茶で喉を潤す。
「一応、言ってみるね。」
「ありがとう!」
ぱぁ、と花が咲いたように笑うてるちゃんに口元が緩む。ああ、てるちゃんって本当に可愛らしくなぁ。
「受かったら一緒に仕事が出来るわね!」
「…あ、」
てるちゃんの言葉にあることを思い出す。 返事をしない私を不思議に思ったてるちゃんは私の顔を覗き込む。だから近いってば。
「私来月からポルトガルに留学するんだ。」
「ポルトガル!?」
こくりと頷けばてるちゃんは吃驚したように目を見開き私を見る。
「な、なんで?」
「なんかポルトガルで忍術を教えたいんだって。」
「じゃあ、あたしが受かってもなまえは居ないってこと?」
「うん。二年間くらいだから。」
「そ、そんなぁ…!」
がっくりと項垂れるてるちゃんの頭を撫でるとてるちゃんは大きな瞳に涙を浮かべ私をじっと見る。
「早く帰って来なさいよね。」
「うん。てるちゃんは浮気しちゃダメだよ?」
「なまえこそ。」
「私はてるちゃん一筋だもん。」
その言葉にてるちゃんはやっと笑顔を見せて、残りの団子を一気に口に放り込んだ。
「さぁなまえ!今日は付き合ってもらうわよ!」
「うん。」
てるちゃんってばかーわいいなぁ。






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