太陽のような子供
「俺ってばやっぱりサスケが好きだってば!」
そう言って太陽のように笑ってたお前がとても愛しかった。憎まれ口叩いたり、時には、俺とお前以外何もなくていいのにな、なんて柄にもなく甘い言葉を囁いたりもしたあの時は、やっぱり俺の人生において一番幸せな時間だったんじゃないかと思う。
俺達はまだガキで、恋愛のれの字も理解ってなかったけれど、ただ本能で求めていたのだ。
裏と表、光と闇は互いに惹かれあう。しかしそれと同時にどうしたって交わることの出来ない運命が今の状況を生んだのだ。
ただ本能で愛し合えれば良かった。それだけなのに、なんて人間は愚かな存在なのだろうか。
記憶の中のお前はいつだって太陽みてーな笑顔だったのに、いつの間にか最後にみた泣き顔しか思い浮かばなくなっている俺は、ほんとうに馬鹿だと思う。
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サスケ独白的な。里抜け直後のサスケの心情。やっぱり人間の感情は単純にできてないんですよね。
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