そうこれは全て、ノリ
『政宗さん、ヤりましょう!』
「あぁ…って、あ゙ぁん?!!」
『うーわその反応ですよ。うるさいし古典的です、萎えます。』
あ、頭抱えてる。
悩ましげな姿もイケメンだね腹立つ。いや俺もイケメンだけどね、一切の謙遜もなくイケメンだけど。
「萎える以前にお前、男じゃ勃起しねえんだろ?笑えねえJokeだぜ。」
『えー、そこまでそのネタ引き摺るのはナシですよぉ!天丼は空気読まないと。
あっ、さては新手の口癖ですね?なるほどそれなら許しましょう白状なさい!』
「痛えんだよ!はしゃぐな!」
抱き締める腕にギリッギリ力を込めてやったら政宗さんが眉間に皺を寄せる。
嫌がってる顔、可愛いんだよなぁ。
ちゅう、と首筋に吸い付いたのは無意識で、目を見開いたのはきっと俺が先。
『なにしてんすかッ?!!』
「なんでも俺が悪いんだな。」
『あ、えと…抱いていいです?』
「Ahn? まぁ、百歩譲ってお前なら構わねえが…何を突っ込む気だ。」
え、構わないの?
なに男とヤるのってそんな軽いものなの?
舌噛んで自殺してやろーとか考えた俺は馬鹿か。
気持ち良けりゃ構わないよ的なアレか快楽主義者め!モラル拾ってこいぷんすか!
『指しかないです。』
「なら仕方ねえな…」
『あら指でいいですか?がんばり』
「俺が挿れる。」
わぁ、ふざけた!
男に突っ込まれて尻とか裂けまくってんのに何ぬかしてんだこのハゲ。そんだけ無駄に愛くるしいツラして俺を組み敷けると思ってんのかこのハゲ。
『政宗さんには荷が重いですって俺が適任ですって諦めついでに禿げろください。』
「んなに攻めてえなら騎乗位って手もあるぜ?」
『俺そーいうのやってないです。』
よくよく思えば、俺なんで政宗さんとヤりたがってんだろ。有り得なくないか
男と言えど政宗さんだ。
政宗さんと言えど男だ。
ウンそりゃそうなんだけど確かに欲情しちゃってるみたいなのだ。勃起こそしてないものの口乾くしちょっと暑くなってきた。
そう、要はノリ。人生ノリ。
『俺はあんな痛い思い二度としたくない!』
「Be rest.[安心しろ] お前は俺のtechniqueを信じてくれりゃあいい。」
『無理です…お月さまの中でうさぎさんがお餅ついてる話くらい信じられません… ツチノコとかチュパカブラと同じくらい信じられない…!』
こんな埒の開かない会話に終止符を打ったのは政宗さんの口吻けだった。
そうだななるようになれと、まぁ要はノリだと、腹をくくった俺は、それに応えるように互いの舌を絡めた。
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