不器用に掬い上げて
床に就くにしても布団は昨日と同じく一式しかない訳で。
政宗さんは俺が寝るといっても女中さんに布団をもう一式用意させる気配はない。
『政宗さん、心中察してくれてるのではなかったのでしょうか。』
「相手は誰だ?トコに就く前に教えろ。」
『知る訳ないでしょう。顔隠してたし、怖くてそれどころじゃなかったです』
何その拷問し慣れてますみたいな顔!般若のほうが余程優しい顔してるよ!!
でも政宗さんとの距離はもう怖くない。さっきまでは流石に動揺してたなー…手ェ払っちゃったし。
ヒトに吐き出せたことで、事を徐々に受け入れつつあるんだろうか。
ケツ掘られたのがなんぼのもんじゃい!とか言える日も遠くないかもしれない。(断じて自分からヒトには言わない)
大丈夫。
やっぱりそう脆かないのさ、俺は。
『ささ、寝よー。』
「ケツの具合いは大丈夫か、お嬢ちゃん?」
『レイプされた男に向かってお嬢ちゃんとか、マジ血も涙もないですね。慰める気ないでしょ』
「Ha! 慰めは俺の役目じゃねえ。」
まぁでも、変に労られたら絶対凹む。
笑ってられんのはほんと救いだな。
『さ、おいでませ。』
布団に潜り込んで端に寄ったら、空いたスペースをぽんぽん叩いてお招き。
髪下ろしたらちょっと幼げでえらいかわいいんだよなーこの人。さぁ癒してちょうだい、可哀想なわたしを。
「寝にくい真似するんじゃねえよ…」
『はやくはやく寒い寒いギブミー政宗さんー。』
「Ahn? マジでくれてやろうか」
『なはは、お嫁さんにしたげますー。』
布団のなかにもっそもっそ突撃してきた政宗さんを昨日と同じく抱き込んだら、いやーマジこの抱き心地。
ごめん濃姫、おれ彼を手放せそうにない。
『むにむにですね。』
「…太ったか?」
『女子か。なに微妙に傷付いてんすか』
「鍛えちゃいるんだぜ? Bodyにゃ自信がある」
そりゃ羨ましい。
俺は到底良いカラダとは言えない。
腹筋は縦にゆるーく割れてるけどこれ単に脂肪がないからだろうし、力にはまったく自信ないぜ!へろへろ!
あ、ジュニアは負けないよ〜。
それなりのマグナムだよ!舐めんなよ。いや、可愛い女の子にならたくさん舐めてもらいたい。
『あーあーあ、どうせ突っ込まれんなら政宗さんがよかっですよ。』
「笑えねえJokeだな。」
『ですよねー…とか言いつつアナタのちんこは立派に俺を押してくるんすね。』
「朝勃ちだ。」
『笑えねえジョークだな〜〜。』
夜勃ちってあるのかな。
いや、それただのスケベだ。この人ただのスケベだ。
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