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天使の暇つぶし
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政宗さんはまだ寝てる。

無駄に天使な寝顔だ。起きたらただのエロ魔人なのに。





『さて着替えますか。』




朝と昼は町に下りてから食おう。早朝でもどっか一軒くらいはやってるだろう。

ヒィィ楽しみすぎるっ!
どうしよう道端に濃姫とか転がってたらどうしちゃおう!いやそれはもう死ぬ覚悟でニャンニャンしてやりますよにゃにゃ〜〜ん!

違うんだ強姦なんかじゃないんだ。俺の野望はもっと気高い表現が適切だ。






白を基調に薄桃色の桜が散りばめられた着物を羽織り、今度はしっかりと、でもちょっと自分好みに弛めで帯を締めた。



時刻はまだ四時半。

脱いだ寝巻きを畳み、小十郎から貰った一両小判を懐へ大切にしまいこむ。

それでもまだ時刻は四時三十二分。





『ヒマじゃ。』



遊ぶものないかなー…

けん玉とか竹馬とかないものか、と辺りを見回したって殺風景な畳部屋。
というより政宗さんの部屋にけん玉とかあったら何か可哀想になる。うわぁ友達いないんだなあってなる。



『…ふ、カワイソ。』



哀れんだ眼差しを布団に向ければ…‥あるじゃないのよ、いい遊び道具!




政宗さんであそぼ。








着物があぐらを邪魔するけど、気にも留めずに足をおっ広げて政宗さんの前に座り込む。

気持ちよく眠っていらっしゃるとこ申し訳ないが、邪魔させていただくます。





それではルールを説明致しましょう!

そいつは至って簡単。
朝っぱらから盛ってんじゃねえな内容ですが、政宗さんにフェラチオします。名前くん頑張っちゃいます、ヒマで頭が沸いてます。

イくより先に政宗さんが起きたら俺の負け、寝ながら終われば俺の勝ち。
なんっの得もないゲームであります。



お前そーいうの抵抗あるんじゃなかったの?ってな感じですが、可愛いからいいんです。寧ろ可愛けりゃ大半のことは許しますヨォ!!





『幸い俺は女でしか勃たないし、いただきます。』



ぱさりと前髪を撫でるように掻き分けると額、瞼、頬、唇と順々に軽く接吻ける。
睫毛が反応して震える様にちょっと虐めてやりたくなったのは忘れよう。




のそりのそりとハイハイ移動して、足の方から更にもそもそと布団に突入。

寝るときまで箸のように揃えられた足に跨り、体重をかけないように自らの身体は肘で支えております。
尻突き出してる体勢は見ないフリだ。



俺は何だってこんなこと考えたんだっけ。暇なら小十郎の畑仕事でも手伝えば良かった話じゃないのか…

なかなかアホらしくなってきた。
こうなりゃ勃たせて止めてやる、苦しむがいい!フハハハァ〜〜ッ!!




『この体勢顔見えないなあ…』



褌を引っ張り緩めて横から零すように政宗さんのブツを取り出す。
改めて見ても質量は相当なもんだ。

顔、見えなくて良かったあ…
あんな天使のような寝顔の子に、こんなデカい逸物ぶら下がってたら泣き出しちゃうよおれ…

ナイス配慮、布団。





『(朝立ち作戦、いざ!)』



小声の意気込みと共に拳を握り締めると、すぐ握り拳を解いてずしりとした政宗さんのブツを持ち上げた。

手順は決まっている。
舌先で裏筋を根本から尖端へ辿りながら、空いた手で隠嚢をやわやわと揉みしだくのだ。(えっちなビデオに教わった)
そう、唐揚げ作りに近い感覚…あ、いま最高に気持ち悪い発言したね。

全国の唐揚げに謝罪いたします…‥
っっさーーせん!!


















――――――…


...政宗Side






事の発端は解らねえが、俺が今かなりオイシイ状況にいるってえ事は確かだ。




ミシ、と縁側の板が軋む音に目を覚ましてみれば、どうやら名前が部屋に戻ってきたらしい。

いつの間に出ていったもんかと問おうとしたが、朝ってのはどうも俺をbluesにさせやがる。(憂鬱)
辺りが騒がしくない事から、まだ皆も起きちゃいねえんだろう。故に起床するような時刻じゃねえと。

再び瞼をおろして寝る体勢に移れば、昨夜はあった心地好い睡眠を促すもの…名前が隣にないもんで、どうも寝つけねえ。


I go to pieces...(参っちまうぜ)





どうしたもんかと溜め息すら吐きかけた矢先…俺の額に、瞼に、頬に、そして唇に次々とkissが降る。

いま俺が起きてる事を知ったなら、頬を紅潮させて弁解するか?
良いねえ…朝から興奮させてくれるぜ。




「‥‥‥?」



重てえ瞼をあげて名前を見たと思えば、気配があった場所にいねえときた。

何処にいったもんかと捜す間もなく足の方から布団に潜り込んできやがるdeviantが一名。(変質者)

終まいにゃ逸物まさぐられてんだが、こいつァ一体どういう事だ…?





ともあれ、好機に違いはねえ。

ゆっくり堪能させてもらうぜ… My honey?













『何ニヤけてんだ。』



目の前には俺に重なって布団から顔を出す名前。

Shit. 俺としたことが…
こんなに早く勘付かれるとはな、未来人とやらも中々やるじゃねえか。




『あっけなく勃起するからオカシイと思ったら… 狸寝入りが趣味なの?』

「お姫サマのkissに起こされたんだぜ?」

『昨日ベソかいてイかせてって懇願してきた人がよく姫だの言えるね。』




口もそれなりに達者みてえだ。

小十郎は最終的に折れる男だが、名前は一筋縄じゃいかねえな…

上等だ。Easyな恋なんざ求めちゃいねえ…
それでこそ俺のHoneyだぜ!




『その笑顔ヤメテ。』

「Oh,I'm sorry.
どんな笑顔もお前には敵わないぜ…」

『今ので俺に対抗してるつもりだったんなら潰す。』

「Crush?! 俺に乗っかるってのか!」

『頭ハッピーね政宗さん…羨ましい。』



何でか呆れっ面で布団から出ていく名前と、それに次いで身を起こす俺。

襖を貫通した日光が目に染みる。
名前がスパンと一気に襖を開けやがった所為で、真っ向から日光が降り注いだ。

俺は本来なら細めるべき双眸を見開いた。







「Are you a angel...?」




真っ白い肌から、栗色の髪から、桃色の着流しから、凛とした光を放つ名前がそこに居た。

羽根は見えずともその全てが俺に物語る。
彼は、天使であると。





天使は飛ぶように軽い足取りでふわりと俺のもとに降り立ち、悪戯に笑った。




『寝惚けてんのか、おばかさん。』




額を一度小突き、そのまま廊下に消え入ってしまう。








愛する人が女神に見えるとは、良く言ったもんだ。

眩しいほどに煌めく姿は神々しい事この上なく、汚す事など許されない気さえする。

だがそんな決まり事はこの世にはねえし、それを守る義理もねえ。





精々飛び回っていりゃあ良い。

俺に捕まるまでの間は、な。




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