理事長 IV



「あ、前川!話し終わったのか?!」


生徒会室を出ると、ワン公宜しく花ノ下が待っていて、俺の姿を見ると尻尾を降って近づいてきた。近い。


「はあーー·····」
「??どうしたんだ?」


ちょっと魔王城に招かれただけだ。なんて言える訳もなく、真顔で「下痢」と答えると、目の前の花ノ下の顔がみるみる真っ赤になり「汚い!」と怒鳴られた。デカい。


「俺腹痛いし帰ります····」
「送ってってやる!!」
「いえ大丈夫です!」


なんでだ!やら酷い!やらなんやらと騒ぎ出す花ノ下を背にすばやくエレベーターに乗り込み閉めるボタンを連打する。そして額に流れる汗を拭い、これからの起こる出来事の最悪パターンをいくつか考えてみる。

···うん。どうするもこうにも、とりあえず行くしかないよなぁ···

だって行かなきゃそれこそ何されるかわかんない。社会的に殺されるかもしれない。


「はあ···」


憂鬱な午後を思い大きくため息をついた後、“3F”と刻まれたボタンをまるで爆弾の起爆スイッチを押すかのようにゆっくり押した。









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