05
二人で熊のキーホルダーを買って、お互いにプレゼントした
「お揃いだね」って笑う花ちゃんを、ぼくは心から好きだと思った
しばらく歩いて、ぼくのお兄ちゃんが前の彼女とは違う女の子と歩いているのを見つけて二人でこっそりあとをつけたり、友達を見つけてみんなでおしゃべりしたりしていると、あっという間に外は暗くなった
手を繋いで家まで帰った
「花ちゃん、年賀状描いたけど、今年は変な絵になっちゃった」 「偶然だね、はなも不細工なお馬さんになっちゃったの」
奇遇にもぼくらは同じような失敗をしてるみたいだ そんなことさえも嬉しくてなんとなく照れ笑いしてしまった
冬休みも遊ぼうね、って約束して、花ちゃんとばいばいした
雪の降る町の夜はいつもより静かに更けていった
このとき、ぼくはまだ知らなかった
花ちゃんが、遠いところに行ってしまうということを
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