あ、愛しい。 | ナノ


椎名に想いを伝えてから、今日初めて学校で顔を合わせる

どうも友達としての"好き"だと思われている気がして仕方がないが、それはそれでいいかな

気まずくなって避けられるのは嫌だから



学校に着いてから、椎名が来ているかどうかだけが気になる

いつも一緒に登校している友人、咲良の言葉も何一つ頭に入って来なかったくらいだ


あ、いた


廊下で同じ部活の友達とおしゃべりしていた


「桜子!おはよー!」


笑顔を向けてくれたことに安堵する

よかった、普通だ


「おはよう、椎名」


私の大好きな人はやはり昨日の夜のことをあまり深く考えていないようだ





それからも椎名はいつもと変わらず、私のそばで笑っていた


いや、"いつも"とは同じじゃなかった



「桜子ー」

「なぁに、椎名」


「えへへ、桜子大好き」

「???」


いやいや、その言葉は嬉しいけど


「桜子ー」

「…どうした?」


「えへへっ」

「???」


にこにこしながら腕を組んでくるな

いやいや、嬉しいよ?嬉しいんだよ?


だけどなんでそうなったの?


椎名の私に対する気持ちはどういうものなの?


椎名には奥山くんという彼氏がいるのに、どうして私にそんな幸せそうに微笑んでいるの?



わけがわからないよ



勘違いしちゃうようなことしないで


    
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