うん、やっぱり三日月堂のみたらし団子は最高だネ。
中もジャポン風?とかで少し江戸に似てるし。


「すいませーん!みたらし団子あと30本追か、あり?」

店員のお姉さんに声をかけようと横を向けば、昨日のつり目のお姉さんが座っていた。


「こんにちは」

「アンタ…昨日の」


お姉さんは僕を指差して大きな目をさらに大きく広げる。


参ったなぁ、こんなに早く見つかるなんて。


「もしかしてお姉さん僕を捕まえるためにここに?」

「自惚れんじゃないよ、たまたまここの団子を食いに来ただけだ」


それを聞いてちょっと安心。でもこうやって見つかったってことはもうアウトなのかな?



「ねぇこのあと僕連れてかれちゃうのかな?」


モグモグとみたらし団子を食べながら問いかける。あー、やっぱりみたらし最高。


「他の団員ならそうしてたかもね」

お姉さんは溜息をつきながらお茶をすする。何だかとても冷めてる。


「団長はあんたを蜘蛛に入れたいみたいだけどあたしは反対、ただでさえ昨日の一件で殺気立ってんだ。団員同士の仲に亀裂が入るのはごめんだよ」



うーん、なんて素敵なお姉さんなんだ。僕もその意見に同意だよ。


「よかった、ねぇ一緒に食べようよ」

スッと団子を持ってお姉さんの隣に移動すると怪訝な顔をされた。



「アンタ自分の立場理解してる?蜘蛛の標的なんだよ?あたしが今連絡したらすぐに捕まる」


「へーきへーき、お姉さんはそんなことしないヨ」


面倒でしょ?と笑えば変な奴とお姉さんも少し笑った。



「僕はカグヤ、お姉さんの名前は?」

「マチ」



兎に懐かれる
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