キミ色に染まる


あれからジョージといると私の世界は煌めき色付く。

世界に絶望していた私にジョージは再び世界の美しさを教えてくれた。

世間では私達は恋人という関係なのだろうけれど、私の中ではそんな風に言葉に出来ないほどジョージの存在は大きい。


「フレッド、ジョージ、おはよう」

「もしかしてナマエかい?たまげたな!こんなに綺麗になっちまうなんて、いったい誰に魔法をかけられたんだ?」

フレッドがニヤニヤしながら2人を茶化すような口調で煽る、もうこれは日課になっていた。


「魔法だって?ナンセンスだぜ。ナマエはもともとダイヤの原石だったんだからな」

ジョージはまるで宝物に触れるように優しくナマエを抱き締める。ジョージと恋人になってからナマエはみるみる女らしく綺麗になり今では誰もミョウジ女史なんて呼ばない。


「そうだ、ナマエ。今度の休暇帰省するだろ?」

「えぇ、するけど」

「旅行にいかないか?会わせたい人がいるんだ」

「会わせたい人?」

「聞いて驚くなよ?日本に行くんだ!」


ジョージの言葉にナマエは目を見開いて両手で口元を押さえた。信じられないという表情にジョージとフレッドはニヤニヤと笑みを浮かべる。


「ジョージの奴この一年情報のツテをあらゆる限り使ってついに見つけ出したんだぜ?」

「妨害呪文がたくさんあったけど、なぁにウォーズリー根性に勝てるものなんてない」

ナマエの青い瞳からポロポロと涙が溢れ出す、それを見て双子はギョッとなり慌ててナマエに駆け寄り必死に宥める。


「も、もしかして嫌だったい?」

「勝手に調べて無神経すぎた?」


慌てる双子をクスリと笑ってナマエは涙を拭いながらジョージに抱きついた。


「嬉しいの、ジョージ…ありがとう。大好きよ」

一年前では考えられない花が咲いたような満面の笑み、何も写さなかった瞳にはジョージが写されている。


「愛してるよ、ナマエ」



空が何故青いのか

雲は何故白いのか

夕日は何故赤いのか

海は何故青いのか

あなたが全て教えてくれた。


欺きじゃない優しさを、驕りじゃない愛を私にくれた。

星に手は届かないけれど太陽のようなあなたはいつも私を抱きしめてくれる。


私の瞳で見える世界はこんなにも美しかった。

あなたに出会って世界を知った。

あなたは私の世界、とっくのとうに私はあなた色。


もう二度と私の世界が曇ることはない。


太陽のあなたが隣にいるから。



Fin.


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