不思議な侵入者


その日もナマエは図書室で本を読んでいた。

彼女は図書室の常連になっていた、いない時の方が珍しい。

テスト期間でもないのに図書室に来る人間など知れてる。

ナマエと2つ下のグリフィンドール生、ハーマイオニー・グレンジャーくらいだ。

本を捲る音が静かに響く静かな空間。

この空間に溶け込むようにナマエは集中して文字に目を通していた。


その時、目の前の椅子に誰かが座った。


「やぁ」


その声に顔を上げると、赤毛の男の子が座っていた。


確か…

同学年のグリフィンドール生、
ウィーズリーの双子だ。

目の前の彼が片割れのどちらかまではわからない。


「こんにちは、ミスター・ウィーズリー」


ナマエが視線を向けて名前を呼べば、彼は驚いたように目を剥いた。


「俺の事知ってたの?」

「同じ学年だもの、名前ぐらい知ってるわ。それにあなた達有名じゃない」


いろんな意味で。
最後の言葉は言わずにそう伝えれば、彼は嬉しそうに笑った。


「それは感激だな、まさかレイブンクローのミョウジ女史に名前を知っててもらえるなんて…あ、ミョウジ女史って言うのはキミの通り名、」


「自分が周りからどう呼ばれてるかぐらい知ってるわ」


自分の言葉を遮るナマエの凛とした声に苦笑いしながら、彼は手を差し出した。


「俺はジョージ・ウィーズリー、同じ顔がもう1ついるけどそっちはフレッド。俺の事はジョージって呼んで欲しいな」


差し出された手を無視する事も出来ず、ナマエはその手を握った。


「ジョージ、ね。…わかったわ」

「キミの事、ナマエって呼んでもいいかな?」

「えぇ」

「宜しく、ナマエ」


いきなり現れ、何やかんやで握手までしてる今の状況にナマエは少し戸惑いを感じながらも宜しくと言い返した。



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