透き通る眼差し



「ハリー、チョウが観に来てるぜ?」

「手振らなくていいのか?」

「やめてよ二人とも、チョウはレイブンクローのシーカーなんだ、クディッチの試合を観に来るなんて当たり前だろ」


俺達のからかいにハリーは少し怒ったように荒々しく箒を飛ばした。


「若いっていいなぁ相棒」

「ハリーの一番のライバルはディゴリーだな」


ふとレイブンクローが集まっている観客席に目を向ければ


また彼女が来ていた。


レイブンクローの、ナマエ・ミョウジ。


彼女はいつもクディッチを観に来てる。


最初は熱狂的なクディッチファンかと思ってたけど…


「おい相棒、これから試合中だってのに何余所見して…、ははー…ん。例のレイブンクローのミョウジ女史か、お前も片隅に置けねぇ奴だな」

「ばーか、そんなんじゃねぇっよ」


俺は気持ちを振り払うように、飛んできたブラッジャーを棍棒で思いっきりスリザリン生にぶっ放した。


そんなんじゃ、ないんだ。

毎回観に来てる彼女を見ていて気付いた事がある。


彼女はクディッチなんか見ていない。


彼女の瞳は何も映してないんだ。



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