嘘から始まるキミとの距離 | ナノ


▽ 退屈から始まる


「つまらない」

マルフォイの声が談話室に響いた。
試験も終わり暇を潰すように今日何回目かわからないトランプが皆に配られる。


「ならチェスにするかい?」

「あら、2人でしかできないわ」


サラ・ライラックは欠伸をしながら退屈そうに配られたトランプを見ていた。彼女もまたドラコと同意見でとてもつまらなかった。トランプもさながら日常生活に飽きていると言った方が正しい。この密閉された寮生活は窮屈だ。それにスリザリンはあまり他寮の生徒とは仲良くない。それがもう三年目だ。それがまたつまらない。


「リスクがないからつまらないんだ。罰ゲームを作ろう」


ニヤリと意地悪く笑ったドラコはまるで悪戯を考える悪ガキのようだとサラは思った。


「今からカードゲームで負けた奴はグリフィンドール生に告白してもらう」

ドラコの言葉に皆驚いたが面白そうだと皆乗り出す。サラはただ悪趣味だなと思いながら別に止めることもなくゲームを始めた。自分が負けるわけがないと確信していたからだ。



ところが罰ゲームが出来たせいか皆次々と上がっていく。結果負けたのはサラになってしまった。


「よし、ライラックか。悪くないな」

「サラなら綺麗だからOK貰っちゃうかもな」

「それはそれで面白いだろ、退屈しないよ」


サラはげんなりと自分の運の悪さを呪いながらも約束は約束だと割り切ることにした。



「それで、私は誰に告白すればいいの?」

「ポッターだ」

prev / next

[ back to top ]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -