(高専時代→大人)
同期の五条くんが近くにいるといつもいい香りがする。私はその香りがすごく好き。香水つけてるのかな。聞いたら教えてくれるかな?
談話室で隣に座った五条くんは今日もいい香りが漂う。
「五条くんって香水つけてる?」
「つけてないけど」
「あれー?でも五条くんっていつもいい香りがするよ?」
前に夏油くんと硝子に五条くんからいい香りがする話をしたら2人は眉間にシワをよせて数秒考えたあと揃って「思ったことがない」「無臭」と答えた。
どういう香りなのかを上手く説明できない私に2人は、もし五条くんから薔薇の香りがしたら…と盛り上がっていた。五条くんがその場にいたらキレるやつ。
五条くんは私のことを睨んだ。
「変なこと言うなよ」
「だって…本当のことなのに」
「ちょ、おま」
五条くんの肩あたりに鼻を近づけスンスンする。
「分かった…。体臭だ」
「…は?」
「五条くんの体臭がめっちゃするんだ」香水でもなく五条くん自身の香り。イケメンで良い香りまでするなんて。ズルイ!
「体臭…………。シャワー浴びてくるわ」
「何で!?臭いって言ってないよ!?本当に五条くんっていい香りだから!私の大好きな香り!」
「……ふーん。そんなに好きならもっとくっついて嗅いでみる?どうぞー?」
「本当!?ありがとう!」
「…はぁ!?」
腕を広げながらニヤッと笑った五条くんの提案に私は即頷いた。もっと近くで嗅いでみたかったんだよ!
正面から五条くんにピトっとくっついてみる。身長差の問題で五条くんのお腹に顔を埋めた。あ、私のプニッとしたお腹と違って固い。
「ば、馬鹿じゃねーの!?この痴女!」
「くっついていいって言ったの五条くんでしょ!?」
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恋人の悟くんが近くにいるといつもいい香りがする。私が大好きな悟くん自身の香り。すごく落ち着く。
「ぎゅー。こうしたら僕の香りが夢子にうつるかもよ」
「わーい!嬉しいー!」
ぎゅーぎゅーと抱き締めるというか、私の身体に自分の身体を擦り付けるような…何か猫みたい!僕から別の香りがして夢子に嫌われたら無理!という理由で悟くんは大人になっても一度も香水をつけないし、シャンプーやボディソープ、柔軟剤なんかも無香料を使う徹底ぶり。
確かに悟くんの香りが好きだけど、五条悟という一人の人間を好きになったんだから、別の香りがしたって嫌いにならないのになぁ。
「僕も夢子の香りが好き」
「どんな香り?」
「落ち着く香り。夢子の香りならずっと嗅いでられる」
「私もそうだよ。一緒だね」
「そうだね」