赤緑


「あ、流れ星」

監獄の小さな窓から夜空を眺める茶髪につられて自分も空を見た。だけれど暗い空が広がっているだけだった。

「わー、何にもお願い事しなかった…勿体無い……」

もう一回来ないかなぁ、なんて呑気な声を上げて尚も空を見続ける。そんなに運良く二度も来るわけないだろうと早々に俺は諦め雑誌に目を戻す。…何を願いたいのだろうかコイツは。ふとプーチンを見た。じいっと空を見詰める瞳は真剣そのもの。変なところで真面目な奴だ。願いは叶えてもらうものじゃなくて叶えるものだと思うんだがな。

「あ、来た!」

…嘘だろ。

「えーと、えーと、キレネンコさんとずっと一緒に居れますようにキレネンコさんとずっと一緒に居れますようにキレネンコさんとずっと一緒に居れますようにー!!」

ぜぇはぁと息を切らしてはいるが流れ星はとっくに過ぎ去ってしまっている。…馬鹿だ。コイツは真性の馬鹿だ。

「はぁ…届いたかなぁ」
「…その前に本人に聞こえてる」
「え?ああああほんとだっ…!!」

ベッドに顔を埋めて、あーとかうーとか唸るプーチンは耳まで真っ赤で。こんなに面白いヤツをみすみす逃がすわけがないのに。

「あああの僕もう寝ますね…!」


背中を向けて眠りに就く準備をしたプーチンの背中に声には出さずに「おやすみ」と言った。




柔い束縛
(心配しなくても離してなんかやらない)



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