2 | ナノ


って、
そんなことはどうでもよくて!


なにそれなにそれなにそれ!?
先輩そんなに俺と組みたくないってかそんなに俺といたくないの!?


「あの、丸井先輩…」

「幸村くん、お願いだから変えて…?」


若干涙目で可愛い声でお願いだなんて…俺なら一発KO間違いなし。
なんでも聞いてあげちゃいます。


というか俺の言葉って
完全にスルーされたよね。
先輩が超可愛いから許すけど。


「んーでもなぁ、一応いろいろ考えて組み合わせたからねー」


うーん、と悩む幸村部長。
そりゃそうだ、突然言われても悩むに決まってる。


「…そ、っか…」

「ほれブンちゃん、我が儘言わんと。赤也が地味に傷付いとるからその辺にしとき?」

「え…」


なんで?って顔してこっちを振り向いた丸井先輩。


あ、今日初めて目合ったかも。


「…っ」

「え」


ほんの数秒だけ俺のことを見て、
ふいっと顔を反らされた。


あの、かなりショックなんですが
どういうことなんでしょうか?
マジ誰か教えて丸井先輩のこと。


「…ごめん幸村くん、我が儘言って」

「ふふ、構わないよ?じゃあ、いいんだねブン太?」

「…うん」

「よし、では皆!それぞれ練習につくように!」

「イエッサー!」


部長の合図でばらけていく。
もちろん、丸井先輩とペアになってしまった俺はこの場に先輩と二人だけでいるワケで。


「…さぁ先輩、練習しましょー」

「…おぅ」


なにこの気まずい雰囲気。
さっきから一切こっち見ないし。


「先輩、フォーメーションとかどうします?」

「…おぅ」

「…あの、先輩?」

「…おぅ」

「先輩のデーブ」

「…おぅ」


うわ、だめだ聞いてない。
完全に聞いてない。


…なんだよ、
そんなに俺のこと嫌いなの?
だったらこの際──


「先輩、ボール取りに行こ」

「…お、っわ!え、ボール?そこにいっぱい」

「いいから」


手を掴んで、無理矢理引っ張って
人目のつかない所まで来た。


「ちょ、おい、赤也っ?…っここボールなんてねぇだろぃ!」

「…丸井先輩、どうして避けるんですか?」

「!」


図星といったように黙りこんだ。
俺が顔をあげれば、やっぱり顔を反らす。


「顔反らさないでください」

「ご…ごめん…」


それは何に対する"ごめん"?
ねぇ、先輩が分かんないよ。


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