2 | ナノ


ガチャ─…


錆び付いたドアを開けて
屋上に足を踏み入れる。


「さむ……はぁ……」


ドアのすぐ横に座り込む。


「…んだよあれ…彼女…?」


すげー楽しそうだった。
あの女子も、先輩も。


…声は嫌そうだったけど。


つーか普通女が抱き付いてきて
嬉しくないワケないし。


あーなんか…
たったあんだけのことで落ち込む
とかいつから俺こんなに女々しく
なったんだろ…


「はぁ…丸井先輩のデーブ…」

「誰がデブだこのワカメ」

「…は………え?」


おかしい
遂におかしくなった俺の耳。


「なんで…丸井先輩の声が聞こえる」

「たりめーだろぃ。」

「…丸井先輩の幻覚が見え」

「いい加減にしねぇと殴るぞ?」


ちょっと怒り気味に右手を出して
音を鳴らし始め…


「…ってちょっ!!ちょっと待ってください落ち着いてっ!!マジ痛いんスよそれっ!!」

「お前が変なことばっか言うからだろぃ」


どうやら殴る気はなかったらしく
すぐに手を下ろした先輩。


「てか…なんで先輩がここにいるんスか?授業中っスよ?」

「は…お前も授業中だろぃ」


俺の発言がおかしかったのか
クスクス笑い出した。


「ま、サボリってとこ。んなことより…さっきさ、」


ドキッ─…


「あー…すいません勝手に見ちゃって。彼女さんスよね!!かわいいじゃないっスか!!じゃあ俺はこれで…」


先輩の言葉を聞かないようにして
早く出て行こうとした。


「は?…あ、おい待てよ赤也!!」


先輩の言葉を聞いたら
なんか今度こそ崩れる気がした。

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