僕からの悪戯 | ナノ


すごいことを思い付いてしまった

いつもいつも俺のことをバカとか恥ずかしい奴とか言ってくる素直じゃない丸井先輩への

軽い軽い仕返し


からの悪戯


「丸井先輩っ」

「あ?なん─っちょ、バカ!」

「へへ、おっはよー先輩っ」


いつも通り何も変わらない朝。そしていつも通り目の前に先輩を見つけて何の躊躇いもなく抱きつく俺。


「…っこのバカ也!何考えてんだよぃ!お前ここどこだか分かってやってんの?」

「え、校門っしょ?」

「へー分かってやってんだー」


一気に冷たい表情に変わる先輩。
…え、何?
な、なんか俺マズイことした?


「3秒以内に離れねーと殴んぞ」

「えっうそっ!?」

「さーん…にー…」

「うわわわっ!ま、待って!離れるんでそれだけはっっ!!」


一刻も早く離れないと
本気で俺の命が危ない…っ!!
容赦なく殴ってくるんだもん少しは俺のことも考えてよ…


そんなことを思いながらも慌てて先輩にかけていた全体重を引き戻し、パッと手を離してあげる。


「ん、いい子」


ずっと前を向いていた先輩が振り向き、ふわっと笑いながら俺の頭を撫でる。


「もー…」


俺は先輩の弟じゃなくて
"コイビト"ってこと
分かってんのかなぁ…


学校ってのは分かってるし、人目が気になるのも分かってる


それでも俺は好きだから
先輩に全身で伝えてるというのに当の本人は全く素直じゃない。


「うーん…」

「おーい脳なんてねーくせに悩むと爆発すっぞー?」

「いやでも…って今何て言いました!?酷いッスよぉ!!」

「うっせバカ也なんだから仕方ねぇだろぃ?」

「ちょ、バカバカ言わないでくださいよ!!」

「ふふ、朝から仲がいいね」

「「!?」」


すっかり周りなんて忘れて騒いでた俺達の背後からにっこり笑顔で話しかけてきた魔…幸村部長。


「あ!おっはよー幸村くんっ!」


さっきまでの俺への態度とは全く違い、にこにこしながら部長に挨拶をする丸井先輩。


「おはよう丸井、早くいかないと遅刻だよ?」

「分かってるよー…ったくお前のせいだかんな!!先行くから」

「え、先輩!?」

「残念、赤也フラれちゃったね」


思いっきり俺を睨み付けてからその場に俺達を残してさっさと歩いて行ってしまった。


さ、流石に酷くない…?
ホントにホントに先輩って
俺のこと好きなの?


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