(…よし)
覚悟を決めて向き直れば
赤也も姿勢を正したりして、
お前が緊張することねぇじゃん
とか思いつつも言うことにした。
「…言うぞ」
「はい！」
「一回で聞き取れよ」
「分かりましたって」
覚悟を決めたって
恥ずかしいことには変わらない。
"罰ゲーム"なのに
こんなに緊張すんのは何で？
赤也…だから？
「…ぁ…あかや…大好き…っ！…一緒に帰ろ…？」
「っ！」
最後の方が消えかかったけど
…言った。言い切った！
ちゃんと目は見てねぇけど…
言い終わったことで気持ちが楽になった俺は、ずっと無言の赤也に気付いた。
「…赤也、」
「先輩」
「…なん、だよ」
「好きです」
「え…」
赤也が…俺を好き…？
何言ってんの…？
突然の出来事にまさに目を丸くして赤也を見ることしかできない。
「俺、好きなんです。丸井先輩のことが」
混乱してる俺を放っといて
もう一度告げられた言葉。
「…は、…冗談だろぃ？」
「本気ッスよ」
冗談か、と聞けば
本気だ、と強められる。
どうしてこんな
真剣に言ってくるんだよ…
そんな風に言ったら
冗談に出来なくなるぞ？
「え…っと……俺……」
…なんて言やいいんだ
急にんなこと言われても…っ
俺は…赤也のこと…
自分でも顔がどんどん
熱くなっていくのが分かる。
こんな反応したら俺が本当に
赤也のこと好きみてぇじゃん…！
「はは、ジョーダンっすよ！」
「へ…？」
頭を下げていた俺に上から降ってきたあっけからんとした声。
いつもの赤也の声。
「すいません、ちょっと調子乗りました！先輩顔真っ赤スよ？」
「ばっ…赤くねぇよ!!もう俺帰るからなっバーカ!!」
「あ、待ってくださいよ!!怒ってるんスかっ？」
「怒ってねぇ！バカ也のバカ！」