こんなの恋じゃないのに | ナノ

「…っは…はぁ…はぁ…お、終わった…」


こんにちは、切原赤也です。
え、俺が何をしてるかって?
あの副部長から校庭20周の刑を
受けてたんスよっ!!


「…っくそ…部活も終わってんじゃん…」


そう、それが大問題。


俺には大好きな丸井先輩との
罰ゲームという名の
約束がある。


「絶対帰ってるっしょこれー…」


一緒に帰るという
俺の一大イベント!!


とりあえず急いで部室に行って
着替えなければならない。


「あーもう…急がねーとっ」


残ってる体力なんてあるかないか
だが部室めがけて駆け出した。


***


「…遅ェ。」


…こんにちは、丸井ブン太だぜ。


俺が今何をしているか、
…あのバカを待ってんの。


「何アイツ。バカ也のくせにいつまで俺のこと待たすワケ?」


部活が終わったのが18時だから
かれこれ30分は待ってる。


あ、来た…


「…せ…んぱい??」

「おぅ」


…なんで疑問形なの?
俺にいてほしくなかったってことか?


「んだよ折角待っててやったのにさ。早く着替えろよ」

「はっ、はいっ!!」


我に返ったみたいな返事のあと
急いで着替えだした。


「あの…先輩?」

「なに」

「…なんで待っててくれたんスか??」

「は…?」


なんでって…
お前が罰ゲームやるって
言ったからだろ…


…認めたくねーけど
負けたのは俺だし。


「仁王先輩とか…一緒に帰んなくて良かったんすか?」

「いーんだよぃ。それとも何、帰ってほしい?」

「そ、そんなわけっ!!」


着替え終わった赤也が
勢いよくこっちを向いた。


「…罰ゲーム」

「へ?」

「罰ゲーム!!俺と一緒に帰んだろっ!!」

「い、言ってくれるんスか!?」

「…約束しただろぃ」


一度約束したことだ。
破るなんてしたくねぇし
…たかが罰ゲーム…だろぃ…

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