「あかや…?なんだよ急に…」
「襲われたいの?」
「へ…」
「あんまり可愛いことばっか言ってると、ホントに襲っちゃうよ?今ココで」
「っ!な、なにバカなこと言って」
壁際に追いやって、見下ろした先にあるのは真っ赤になった先輩の顔。動揺しているのか全身に力が入って固まってしまった。
「…本気だけど?」
徐々に顔を近付けていくと、先輩は目をぎゅっと瞑って俺の服を握りしめた。
「えっ、ゃ…ッ、ぅぅ」
「なーに可愛い声出してんの、こんなとこで何もしませんよ」
かわいい。もっともっと意識すればいいのに。
このままキスなんてしてしまったら、きっとそれだけじゃ済まない。なんとか思いとどまった俺は、コン、と先輩の頭を叩いて誤魔化した。
ほっとした表情をする先輩。そんな、思わず抱きしめたくなるような時間も一瞬で終わり、続いて始まるのは先輩からの罵倒の嵐。
「〜〜バカ!変態!こんなとこで変なことすんな!!」
「こんなとこ、じゃなかったらいいんだ?」
「っそーゆーこと…言ってんじゃねぇよ!」
「あーはいはいすいませんでした、じゃあ先輩ウチおいでよ」
「は…?」
きょとんとする丸井先輩をぎゅーっと抱きしめる。腕の中で暴れてるけど気にしない。もういいでしょ、いっぱい我慢したし、我慢も限界だし。
「だからっ、なんで赤也の家行かなきゃなんないの…っ」
「見せてくれるなら生で見たいじゃん?」
「な、にを…」
「あれ、自分で言ったこともう忘れたんスか?今日買ったやつ、見せてくれるんでしょ?」
「!ッ〜やっぱやだ!!」
そんな休日
(…っ…早く、恥ずかし…ぃ)
(あ、すいませ、…写真撮っていい?)
(や、だ…っ赤也きらい…っ)
(あーくっそ、萌える)