2 | ナノ


長かった部活もやっと終わり、待ってました俺の時間!着替えも終わったし準備万端あとは帰るだけ!!


「せーんぱいっ」

「ぉわっ赤也!?」


我慢できなくなって、着替え途中の先輩に思わず後ろから抱きついた。


「早く帰りましょーよー」

「そ、そう思うなら離れてろぃ」

「ブンちゃん照れとるねぇ」

「え、そうなんスか!?」

「うっせ離れろっ!!」


照れながら暴言を吐く先輩。
そんな姿も可愛いと思いながら仕方なく離れた。


早く帰りたいし、
耐えろ俺っ!


「まぁ後はお二人さんで楽しんどき。じゃあのー」

「あ、さよならッス!」

「おーまたな」


一足先に仁王先輩が帰り、後は俺達と部長だけになった。


「…っよし、帰るか」

「はいっ!」

「気をつけてね、2人とも。」

「おーまた明日!」

「お先ッスー」


部長に挨拶して、そのまま他愛もない話をしながら2人で帰り道。
もう少しで先輩の家!


「ん、着いた。誰もいねぇから、俺の部屋行って少し待ってろぃ」

「了解ッス!」


先輩の家には何度も来たから部屋とかその他は結構知ってる。先輩が来るまで俺は部屋で待ってた。


「悪ィ、待たせたな」

「全然へーきっスよ!」

「そか……ほらよ」


先輩から小さくラッピングされた箱が差し出された。


「へへっありがとうございます…えと…食べていっすか?」

「おう!この俺が作ったんだから美味いと思うぜ?お前甘いの嫌とか言ってたし、ちゃんと抑えて作ったから」

「じゃあいただきます!」


一口で食べれば口の中に広がるほろ苦い味。俺のために作った、甘さ控えめのチョコ。


「…うまい」


率直な感想だった。
そんなにチョコが好きなわけでもないけど、これはすごく美味しいと感じた。


「だろぃ?よかった、全部食えよな!」

「食いたいんすけど…勿体ない」

「んなの、また作るし。」

「そだ!先輩も食べません?」

「は?だってそれ、俺があげ─」


言い切る前に口を塞いだ。


「…っ…ふ…んん…っ!」

「ん……ね、美味いっしょ?」

「っ!…苦い」

「俺は、甘くなったッスよ?」

「〜っバカ也!」


"ありがとう先輩、好きだよ"と囁けば、顔を真っ赤にしてまた先輩はバカって言うんだ。


「俺も、…好きだよ」


れは甘くて、特別な。

(先輩、もう一つ甘くしない?)
(っ…今日だけだからな!!)


---

一日遅れ申し訳!


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -