長かった部活もやっと終わり、待ってました俺の時間!着替えも終わったし準備万端あとは帰るだけ!!
「せーんぱいっ」
「ぉわっ赤也!?」
我慢できなくなって、着替え途中の先輩に思わず後ろから抱きついた。
「早く帰りましょーよー」
「そ、そう思うなら離れてろぃ」
「ブンちゃん照れとるねぇ」
「え、そうなんスか!?」
「うっせ離れろっ!!」
照れながら暴言を吐く先輩。
そんな姿も可愛いと思いながら仕方なく離れた。
早く帰りたいし、
耐えろ俺っ!
「まぁ後はお二人さんで楽しんどき。じゃあのー」
「あ、さよならッス!」
「おーまたな」
一足先に仁王先輩が帰り、後は俺達と部長だけになった。
「…っよし、帰るか」
「はいっ!」
「気をつけてね、2人とも。」
「おーまた明日!」
「お先ッスー」
部長に挨拶して、そのまま他愛もない話をしながら2人で帰り道。
もう少しで先輩の家!
「ん、着いた。誰もいねぇから、俺の部屋行って少し待ってろぃ」
「了解ッス!」
先輩の家には何度も来たから部屋とかその他は結構知ってる。先輩が来るまで俺は部屋で待ってた。
「悪ィ、待たせたな」
「全然へーきっスよ!」
「そか……ほらよ」
先輩から小さくラッピングされた箱が差し出された。
「へへっありがとうございます…えと…食べていっすか?」
「おう!この俺が作ったんだから美味いと思うぜ?お前甘いの嫌とか言ってたし、ちゃんと抑えて作ったから」
「じゃあいただきます!」
一口で食べれば口の中に広がるほろ苦い味。俺のために作った、甘さ控えめのチョコ。
「…うまい」
率直な感想だった。
そんなにチョコが好きなわけでもないけど、これはすごく美味しいと感じた。
「だろぃ?よかった、全部食えよな!」
「食いたいんすけど…勿体ない」
「んなの、また作るし。」
「そだ!先輩も食べません?」
「は?だってそれ、俺があげ─」
言い切る前に口を塞いだ。
「…っ…ふ…んん…っ!」
「ん……ね、美味いっしょ?」
「っ!…苦い」
「俺は、甘くなったッスよ?」
「〜っバカ也!」
"ありがとう先輩、好きだよ"と囁けば、顔を真っ赤にしてまた先輩はバカって言うんだ。
「俺も、…好きだよ」
それは甘くて、特別な。
(先輩、もう一つ甘くしない?)
(っ…今日だけだからな!!)
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一日遅れ申し訳!