「な、なんか言…っ!?」
「好き」
「っあ、あか…」
「ありがとう、…大好き」
どうしようもなくなって、目の前にある先輩の肩に頭を乗せた。なんかもう、抱き締めるとか、そんなこともできなくて。先輩のびっくりした声が聞こえた。
「〜…俺も、…すき」
「えっ」
「か、顔上げんな!ずっとそうしとけ!!」
「いたっ!」
滅多に言わないのにあの先輩が好きって…!そりゃ顔だって上げたくなる。先輩の顔が見たいから。でも先輩がそれを許してくれなかったから、仕方なく元の体勢に戻った。
「…せんぱーい」
「なん、だよ…」
「こうしてるとさ…先輩が照れてるとか緊張してるとか、よく分かるね」
「!はっ離れ…!」
「やーだ。先輩の心臓、ドキドキしてる。俺にも聞こえるよ?」
「〜っ聞くな言うな変態!」
恥ずかしくなったのか、バッと引き剥がされた。真っ赤になった先輩はやっぱりかわいい。
あ、貰ったチョコ食べようかな。
「ね、これ食べていい?」
「え…あー…どうぞ」
「やった!俺、食べさせてほしーなー」
「…バカじゃねーの?自分で食え」
「!」
綺麗にラッピングされていたのに、先輩は惜しむ様子もなくあけて中身のチョコを俺の口の中に放り込んだ。
うまい。そりゃ先輩お手製のお菓子だ。まずいわけがない。けど、
「食べさせてほしいって言ったのに…」
「食わしてやっただろぃ?ちゃんと」
「俺が言ったのは、こーゆーこと」
「あ、ちょ、んんっ!」
無理矢理引き寄せて先輩の唇に噛み付いた。ちょっと苦しそうだけど…少しくらい許して?
「ふ、ぁ…っは……ッ」
「は……ごちそーさまデシタ」
「〜〜っお前、きらい」
「俺は世界で一番大好きッスよー?先輩だってほんとは俺のこと大好きっしょ?」
「〜言っとけバカ也」
軽く胸を叩かれたけど、こんなのなんでもない。ただの照れ隠し。代わりに俺はぎゅーって先輩のこと抱き締めてあげた!
Happy Valentine
(…赤也、頭痛い)
(えっあ!すいません!!)
(ぷっ…うそだよばーか)