「あ…かや…」
「何、丸井先輩?」
「……れ………いい…?」
自分でもビックリするくらい小さい声だった。
うわ…なんかすっげー恥ずい…赤也が抱き締めてるから余計恥ずいんだよ…っ!
「…す、すいませんっもう一回言ってもらえますか?」
「っ!〜バレンタイン…っお前に…あげてい…ぃ?」
意識しすぎたせいで真っ赤になってる顔をあげて、恥ずかしさを堪えて必死に伝えた。
何これ、何俺。
赤也見上げて、
ちょっと泣きそうになって、
恋人なのにあげていいか確認するってどんだけ俺女々しいんだよ…
俺が振り絞って出した質問に対する答えが返ってくることはなく、沈黙が続く。
「…あかや?」
「は、はい!」
「…"はい"じゃねぇよ」
「え、あ、あぁ…」
妙に狼狽える赤也。
「…やっぱ…嫌?そうだよな、赤也にあげる女子なんていっぱいいるよな…ごめん」
「は!?嫌なわけないっしょ!!女子なんかより一番に丸井先輩からのが嬉しいに決まってるし!!」
「ぇ、赤…」
「てかずっとそれ悩んでたんすか?可愛すぎるんスけど!さっきだってなんか目潤んでるし、顔は赤いし、加えてそんなこと聞いてくるし、あーもうっ!!」
ぎゅーっ
更に力を込めて抱き締められた。今度はちゃんと。
「赤也!?お、落ち着けよっ」
「無理。先輩可愛すぎる。」
「ば…っ!可愛いとか、言ってんな…ほんとバカ也」
罵倒してるのにその声に威勢はなく、お互い笑いながらくっ付いていた。
悩む俺なんて俺らしくない。
明日も明後日も
ずっとこうして笑ってような!
(…で、あげていいのか?)
(もちろん。俺以外にあげないでくださいね?)
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結局お互い大好きな赤丸!
バレンタインだから
渡すとこ書きたかったのに…
2人が予想外に動きましたw