2 | ナノ


「あ…かや…」

「何、丸井先輩?」

「……れ………いい…?」


自分でもビックリするくらい小さい声だった。


うわ…なんかすっげー恥ずい…赤也が抱き締めてるから余計恥ずいんだよ…っ!


「…す、すいませんっもう一回言ってもらえますか?」

「っ!〜バレンタイン…っお前に…あげてい…ぃ?」


意識しすぎたせいで真っ赤になってる顔をあげて、恥ずかしさを堪えて必死に伝えた。


何これ、何俺。


赤也見上げて、
ちょっと泣きそうになって、


恋人なのにあげていいか確認するってどんだけ俺女々しいんだよ…


俺が振り絞って出した質問に対する答えが返ってくることはなく、沈黙が続く。


「…あかや?」

「は、はい!」

「…"はい"じゃねぇよ」

「え、あ、あぁ…」


妙に狼狽える赤也。


「…やっぱ…嫌?そうだよな、赤也にあげる女子なんていっぱいいるよな…ごめん」

「は!?嫌なわけないっしょ!!女子なんかより一番に丸井先輩からのが嬉しいに決まってるし!!」

「ぇ、赤…」

「てかずっとそれ悩んでたんすか?可愛すぎるんスけど!さっきだってなんか目潤んでるし、顔は赤いし、加えてそんなこと聞いてくるし、あーもうっ!!」


ぎゅーっ


更に力を込めて抱き締められた。今度はちゃんと。


「赤也!?お、落ち着けよっ」

「無理。先輩可愛すぎる。」

「ば…っ!可愛いとか、言ってんな…ほんとバカ也」


罵倒してるのにその声に威勢はなく、お互い笑いながらくっ付いていた。


悩む俺なんて俺らしくない。


明日も明後日も
ずっとこうして笑ってような!


(…で、あげていいのか?)
(もちろん。俺以外にあげないでくださいね?)


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結局お互い大好きな赤丸!
バレンタインだから
渡すとこ書きたかったのに…
2人が予想外に動きましたw



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