2 | ナノ

「よーい…どん!」


俺より先を走る丸井先輩。
先輩絶対分かってないっしょ…
ここ屋上だよ?


「せんぱーい、そんな体力使って大丈夫なんスかー?」

「はっ…なんで…?」

「階段いくつ下るか分かってます?」


言いながら
すでに追い越している。


「あ゙」

「おっさきー」

「ま、…待てよ…っ」


そのまま突っ走って
見事部室到着。


「天才的ぃ☆」

「お前が…使うな…っ」


わーバテてる先輩も
かわいいなー…
あ、変態っぽかった?


「俺の勝ちっスね!言うこと聞いてもらいますよ?」

「う…なんだよ」

「部活終わったら"お疲れ!赤也大好きっ一緒に帰ろ?"って言ってくれません?」


こんなこと頼む俺って
卑怯?
ズルい?


「い、言うかバカっ!!」


俺が先輩を好きなだけで
先輩は俺をただの後輩として見てる。


「先輩負けたのになー…約束破るんだー…」


あぁ俺ってヒドい奴だな…
先輩だってホントは言いたくないっしょ。


「っ…分かったよ言えばいいんだろ言えばっ!!」

「もちろん!じゃ、部活終わったらちゃんと言って下さいねー」


そう言ってから部室に入った。

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