「よーい…どん!」
俺より先を走る丸井先輩。
先輩絶対分かってないっしょ…
ここ屋上だよ?
「せんぱーい、そんな体力使って大丈夫なんスかー?」
「はっ…なんで…?」
「階段いくつ下るか分かってます?」
言いながら
すでに追い越している。
「あ゙」
「おっさきー」
「ま、…待てよ…っ」
そのまま突っ走って
見事部室到着。
「天才的ぃ☆」
「お前が…使うな…っ」
わーバテてる先輩も
かわいいなー…
あ、変態っぽかった?
「俺の勝ちっスね!言うこと聞いてもらいますよ?」
「う…なんだよ」
「部活終わったら"お疲れ!赤也大好きっ一緒に帰ろ?"って言ってくれません?」
こんなこと頼む俺って
卑怯?
ズルい?
「い、言うかバカっ!!」
俺が先輩を好きなだけで
先輩は俺をただの後輩として見てる。
「先輩負けたのになー…約束破るんだー…」
あぁ俺ってヒドい奴だな…
先輩だってホントは言いたくないっしょ。
「っ…分かったよ言えばいいんだろ言えばっ!!」
「もちろん!じゃ、部活終わったらちゃんと言って下さいねー」
そう言ってから部室に入った。