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「はい!あーんっ」
「…ぁ…あー…」
「先輩声小さーい!そんなんじゃあげませんよー?」
「んなこと言ったって…っ」
「先輩が食べさせてって言ったんじゃないッスかぁ」
あれから数分、先輩と俺はずっとこんな感じ。先輩から言ってきたってのに、いざやるとなるとこの有り様。ちなみに俺はかなり楽しい、うん、すっげぇ楽しい。
「ほら口開けて!」
「ぅ…あー…」
「はーいどうぞっ」
「ん。」
「…うまいッスか?」
「当たり前だろぃ!……赤也が、…食べさせてくれんだから」
──こ…れは、…かなりキた
だって、照れて真っ赤になった顔はすぐにフイッと横を向き、声はだんだん小さくなりながらも視線だけはこっちを見るんだもん。
「丸井せんぱーい…」
「…んだよ」
「うん、いいよね。先輩が悪いんスからね?」
「は?何が─…っ!」
…見た目は女の子なわけだし、周りもやってるし、これくらい大丈夫っしょ。
向かいに座ってる先輩のところに身を乗り出して、一応断ってから、先輩と俺のテーブル越しの距離はゼロになった。
「ん……あっま。先輩って食べたら美味そうだよね」
「っ…な、〜〜っ!」
「へへ、どう?恋人っぽくない?」
「…ばーか……恋人、だろぃ」
そう言って目の前にいた先輩は立ち上がり、何をするのかと思えば俺の隣に座ってしまった。
「?…あの、そこにいたら食べ辛くないっすか?」
「もういい。こっち向け」
「え?なんスか急、に…」
「…せっかくだから、今だけ彼女になってやるよ」
その距離、わずか1cm。
あまりの近さに流石に俺も動きが止まってしまった。先輩は俺の腕に絡んで、ぎゅっとくっついてくる。結局目の前にあるケーキは食べたいのか、自分で食べてしまってるけど。
「先輩…」
「…彼女になるっつっただろぃ」
「?言いました、ね」
「……名前で呼べよ」
「あぁそういうこ……え?名前、って…呼び捨てでッスか!?」
「い、今だけだからな!今だけ特別に、…呼ばしてやるよ」
あーもうほんと、
丸井先輩って本当にさ、
──俺を惑わす天才だよね
「じゃあ……ブン太」
「っ〜…なに」
「俺の家、帰ろ?」
「!……なん、で?」
なんで、だなんて。
ほんとは分かってるくせに。
先輩すーぐ顔赤くなんだから。
そんなこと言われたら、もっと照れさせたくなるデショ。俺は先輩の好きそうな顔で、クスッと笑いながら言った。
「…なんでだと思う?」
「ぅ…〜っわかんねーよ」
「はい嘘ー。嘘ついた悪い子は強制連行しまーす!」
「わ!あ、あかや…っ!」
「ごめんいろいろ限界」
ねぇ先輩、
俺が耳元で言った言葉、
ちゃんと覚えてる?
─"マジ可愛い、大好きだよ"
(今もこれから先も、ずっとずっと、ずーっとね)
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私がいろいろ限界です。
力尽きた感が否めないマジで
ちょっと終わり方...!!
でも二人楽しそうなんで、暖
かい目で見てやってくださいお願いします!