3 | ナノ


だから
聞かないように、
逃げるように、


「待てって逃げんな!!」

「…すいません」

「俺の話聞けよ…多分、いやぜってー誤解してる」

「…誤解?」


俺の腕を掴んで、
俺の目を見て、
必死に先輩が話してくる。


「マジでバカ也だな…彼女じゃねぇし…あれは罰ゲームみたいなモンでああなっただけで…」


罰…ゲーム?
彼女じゃない…え、マジで?
俺の早とちり?


「だからそんな…泣きそうな顔してんなよ」

「な!!んな顔してないッスよっ…ていうか…それ言いに俺追っかけて来たんスか…?」

「…おぅ…なんか文句あんのかよ」

「ない!!ないっス!!」


ねぇ先輩。
誤解解くのなんてさ、


部活でもよかったんじゃないの?


そんなに焦って言うことだった?


こんなに生意気で、
ただの後輩の、
男の俺に。


バカだし弱いからさ、
俺少し期待ちゃうよ?


「…なに笑ってんだよキモイ」

「キモイとか酷いッスよっ!!」


先輩のことだけで
こんなに弱くて
こんなに壊れやすくて


こんな感情、知らなかった。
全部全部丸井先輩のせいっスよ?


昧すぎて壊れやすくて
(あーお前のせいで腹減った。なんか奢れよな)
(普通逆っしょ?後輩に集んないでくださいよ…)


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -