記念打 | ナノ

無礼講なので



皆さん、俺が酒苦手なの知ってます?
そう尋ねると、知ってるー!と、とても元気な声が返ってきた。阿呆かこいつらはと。

新年会なんて無礼講する為にあるんだろうと最近思う。でなければ、下っ端の協専と十二支んが一緒に騒げるはずも無い。こういう時に限らず、16歳からの飲酒が可能なこの国を恨んだ。

「ていうかお前何歳ですか。この国の飲酒可能年齢にも満たしてないでしょう」
「超えてるし〜〜〜お酒飲めない人が言わないで下さい〜〜〜」
「へー。俺よりも年上でそんな耳付けてるんですかあ。うわあきっしょぉ」
「はあ〜〜〜〜?」
「ほらそこ。喧嘩しない!」
「「してません」」

酒瓶を片手に接近してくるメンチをすんなり避け、テルドは彼女の酒瓶を取り上げた。
あーん返してよと悲鳴が聞こえたがお構いなしだ。やはり酒癖の悪い奴は好かん。否、自分が言える事ではないが。

「チードルさぁん好きですぅう」
「俺チードルじゃないです。寄んな」
「テルド聞いてよぉ、ぼくチードルさんの事好きなのにぃぃ・・・」
「今ので大体わかりましたから。死ね」
「テルドが冷たいー」
「チードルさーん。副会長が呼んでますぅ」

グラスを片手にネテロと談笑していた彼女に大して声を上げると、案の定じろりと睨まれた。ひっついてくるパリストンを剥がそうと試みると、更に強く抱きしめられた。この男もまた、テルドと同じく父親の血を確かに受け継いでいる様だ。うぜえ。更に泣くのがうぜえ。
だがそれよりも、こちらを眺めるミザイストムの表情は更に険しく、新年会には相応しくないであろうオーラが怖かった。男のジェラシーは醜いぜ!と誰かが言っていた気がする。
助けろと目で訴えると、ミザイストムは呆れた様に溜息を着いた。

「・・・テルド、こっち来い」
「だってさ。ミザイストムさん呼んでるんで俺行きまっ・・・ぎゃあああああ」

べろぉ、と首筋を豪快に舐められ、毛虫が背中から這い上がってくる様な感覚をテルドは覚えた。実際に毛虫が這い上がってきた事なんて無いけれど!

「ミザッミザイ!こいつキショッ!早くっ!早く助けっ・・・イヤァアアアア」
「あははー!まぁまぁテルド照れるなよー」
「死ね!!!」

半ば強引にパリストンを引きはがし、ミザイストムがテルドを担ぎ上げる様な形で救出する。テルドはと言うと完全に怯えてしまい、周りの笑い声も関係無しにミザイストムの肩を必死に掴んでいた。余程、気持ちが悪かった様だ。

「ミザイストムさん何ですかー?それ、僕のなんですけど」
「寝言は寝て言え、この酔っ払いが」
「僕貴方の事大嫌いだなー」
「煩いわ!いい加減にしなさい!→子」
「わぁ〜チードルさぁん!好きです」
「死ね!→子」

こいつらは兄弟揃って酒が弱い上に酔い方まで面倒臭いのか。そんな光景を見て、ミザイストムは静かに自分の肩にしがみ付くテルドの背中を軽く擦ってやったら、触るなと煽られた。いくら直属では無いと言え、一応ミザイストムは上司だ。無礼講にも程がある。
可愛いから良いけど。








・あとがき
十二支んで新年会でミザイストム×テルドでした。結局パリストンが絡んじゃうのはしょうがないです。だって好きなんだもの((
パリストンはね、やっぱチードルさんとくっつくべきだと思うんですよ。NLも大好物です。
そしてパリストンはやっぱお酒苦手そうだなーとか思ったり。シャルも弱そうだけどね!酔わせたいよ!!
ミザイとあまり絡められませんでしたが、この後は銀狐様のご想像にお任せします。きっと消毒とか言って首とか耳とか舐めてくれるよ、うん。

では、無関係な話ばかりとなりましたが、銀狐様リクエストありがとうございました!


2/9/2013




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