「綺麗だ」
「んぁ?…あぁそうだな」
金の瞳をした前髪が爆発したような男と銀の瞳をした赤髪の王子様が、お城の庭にある噴水の縁に腰掛けて楽しそうに会話をしています。
金の瞳をした男、ゴールドは魔法使いを思いながら朧気な月を眺めています。
「……本当はドレスが良かったけど違うのにしたから」
「俺男なんだけどな」
「…ゴールドは、可愛いから……。ドレスも似合うよ」
「なっ!?」
「おーい、いい雰囲気のところ悪いんだけどそろそろ行ってきた方がいいんじゃないか?」
「………緑、邪魔」
「ここでもぞんざいな扱いなのか俺は。構えるのも止めてくれ」
「ゴールド、早めに戻ってきて…。お礼、もらうから」
「お礼?」
「ゴールドのか…」
「はい自主規制。馬車用意したから早く乗れよー」
「サンキュ緑。赤もありがとな!」
「…うん、行ってらっしゃい。王子の居場所を知らせる道具も貸すね」
「楽しんでこいよ」
「おうっ!」
偶然出会った赤い目をした魔法使いとその助手のおかげで、こうして王子に会えたと思い馳せています。
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