『 ◆バーティミアス独白 』
12/03/17





ロンドンの空は相変わらず鈍色の厚い雲に覆われていた。

仕事を命じられることもなく、かと言って解放されるわけでもない俺は、ここのところ当てもなくぶらぶらと街をさまよっていた。

ある時は高貴な服を身にまとった、あきらかさまな太った貴族の男になってみる。
偉そうにふんぞり帰って我が物顔で街を歩く。

またある時はぼさついた羽の小汚い烏になって、他の烏たちといっしょにゴミ溜めをあさる。
そして空高く舞い上がり、街の上空を旋回してせかせかと動き回る人間たちを見下ろしてみる。

ほかにも、子供になったり、鼠になったり女になったり、蜘蛛になったり、

体の痛みを忘れるために、俺は様々な形の姿に変わり、その生き物相応の行動をとる。

するとそのうち、自分が誰なのか、何なのか。すっかりさっぱりわけわからなくなる。

そうして、夜空のように真っ黒な毛並の美しい猫になった俺は、この石の街のすすけた路地裏に消えていった。













…と、思ったら体中が鋭い針で刺されたような痛みに襲われる。

で、気が付いたときには密と香の甘ったるいいや〜な匂いのする俺のご主人サマの召喚部屋。



あぁ、やっぱり俺は、妖霊の、



ジン族のサカル、強者ヌゴーソにして銀の翼をもつ蛇…、


ウルクのバーティミアス様だった。


結局俺は、今日も相変わらずの俺でし、た。とさっ。

まぁそれでいいか。

俺はこんな俺が、自分で言うのはなんかアレだが、わりかし好きだっりしたりする。









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お友達から貸してもらって読んでます記念。

これでいいのかなぁ(´ω`;))
すごく自信ないです。
偽バティでごめんなさい。
貸してくれてありがとう!




コメントちょーだい (´・∀・`)



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