3時のおやつ


卵をシャカシャカ、ミルクを加えて、さらに振るったミックス粉を混ぜ合わせます。
今日のおやつはホットケーキ。飲み物はオレンジジュース。
もうじき小腹を空かせて帰ってくるであろう小さな双子の為のおやつ作りです。
出来立てを食べさせてあげたいので、生地のネタだけを作って双子の帰りを待ちました。お揃いのお皿とグラスも双子の帰りを待っています。
暫くして、玄関の扉がガチャリと開く音がしました。
「トトリさまただいまかえりましたっ」
「ただいまトトリ!ボクおなかすいた!」
帰ってきたようです。
「おかえり。おやつの準備は出来てるよ。二人とも手を洗ってきてね」
玄関前まで出迎えたら、はい!と元気な返事と共に、手を洗いに二人仲良く洗面所へ向かいました。
と思ったら…
「ノボリ君?」
ノボリ君が忘れていましたと言わんばかりにととと‥と小さな足音を立てて戻ってきました。
脱ぎ散らかしたクダリ君の靴を並べて、私にお辞儀をしたあとやっと手を洗いに先に向かったクダリ君の元へ戻っていきました。
流石お兄ちゃんです。

「うう〜…!はやくたべたい!」
キラキラした目。ホットケーキを焼き上げるまでクダリ君はずっと私に引っ付いていました。
生地の気泡がぽつぽつと浮かび香りも一層美味しそうに漂います。
クダリ君は台座に乗り、私が生地をくるん、と裏返せば嬉しそうにフライパンを覗きこみます。
ノボリ君はこちらの様子が気になりながらも一生懸命テーブルを拭いてくれています。
私がノボリ君を呼ぶと、嬉しそうに台座の代わりに椅子を持ってきて、3人一緒にホットケーキを眺めました。

やっと焼きあがったホットケーキは、ちょっと手間をかけてピカチュウの輪郭を描いたなかなかの力作です。
早く食べたくてしょうがないクダリ君が、グラスにオレンジジュースを注ぐお手伝いをいよいよ始めます。
濃いオレンジ色を眺めながら、頭の中はホットケーキでいっぱいなのでしょう。
間もなくホットケーキがお皿に積み重ねられ、キラキラしたメープルシロップと、しっとりしたバターがピカチュウにのっかっりました。
「おいしそうなにおい!いただきます!」
「いただきますトトリさま」
「どうぞ召し上がれ」
部屋中が甘い香りに包まれます。

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日常を書きたかった。
いとこのお姉さまで美人だといいな。