教室に冷たい空気が漂う。その空気を漂わせているのは超高校級の王女であるソニア・ネヴァーマインドと超高校級の飼育委員田中眼蛇夢である。

普段は仲良しどころか付き合ってるんじゃないかと噂される二人がなぜ冷戦を繰り広げているのか。

その原因はいつも田中に突っかかってはギャンギャンわめき、かと思えばソニアの周りをぐるぐるしながらキャンキャンわめく超高校級のメカニック、左右田和一にあった。
後輩である桑田と葉隠に遊ぼう遊ぼうとせがまれ困っていた左右田は田中とソニアが仲良さそうに談笑しているほうをちらりと見たあと、

「あー、わーったよ!行くから服引っ張んな!」

とだけ言って本当に桑田と葉隠の二人と遊びに行ってしまったのだ。
それをポカンとしながら見つめた二人は、左右田が自分たちの方へ来ず後輩を選んだ原因が相手にあるのではと勘違いし、その結果冷戦が勃発したのであった。

「昨日田中さんが何かされたんじゃありませんか?」

「フンッ!闇の聖母も落ちたものだな!俺様は昨日あの雑種に近づくことすら出来なかったんだぞ!となれば貴様の態度に愛想を尽かしたと考えるのが必然!」

「あらあら、わたくしは昨日左右田さんとお買い物に行ったのですよ?ですから、わたくしに非はありませんわ」

みたいな会話をしながらも冷たい空気はどんどん重くなっていく。

「…この俺様の許可なしに雑種と出かけたというのか?!」

「田中さんは一昨日左右田さんの部屋へ遊びに行ったらしいですわね?でしたら田中さんの許可を取る必要はないと思います。」

「雑種は俺様のものだ。フハハハハ!全ての魔獣は俺様の指揮下にあるのだ!」

「左右田さんはわたくしの従者ですが」

お前ら左右田をなんだと思ってるんだ。というツッコミを入れたくなる会話がポンポン続く。

「…どうやら、このままお話していても埒が明かないようですわね?」

「そのようだな…」

「ですからこうしませんか?…左右田さんが帰ってこられてから、左右田さんと遊ぶ約束を先に付けれたほうが左右田さんを好きにできるという事で」

「…フッよかろう。」

と本人がいないにも関わらずそんな約束がかわされた。
この後左右田が帰ってきてからひと波乱あったのだが、それはまた別の話。

『メカニックは誰のもの?』
(どうしても手に入れたい!)