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鉢植え用の花、花束にする花など、たくさんの種類の花が所狭しと肩を寄せ合っている。
「花ってこんなに種類あるんだな」
隣で目を丸くしている様子の平和島くんに、なんだかとても嬉しい気持ちになる。
「みてるだけで楽しいよね」
店員さんの話に耳を傾けながら、ゆっくりと店内をまわる。
ふと、平和島くんが種の入った袋を手にとった。
袋には、"ひまわり"の文字。
「ひまわりってあれ思い出すよな、あの…ハムスターのアニメ」
「とっとこハム太郎?」
「それだ。小さい時よく見てたな。」
ひまわりの種って食うとうまいのか?とかなんとかつぶやきながら、パッケージをまじまじと見つめている。
「ぷっ」
その姿に耐えきれず吹き出してしまった。
「なんだよ。」
「いや、なんでもない。」
なんだそれ、と首を傾げる平和島くんを見て、また吹き出しそうになってしまう。
買い物を終えて、店を出る。
私はマリーゴールド、平和島くんはサルビアを選んだ。
その種の入った袋の中には、ひまわりの種もあった。なんだかすごく欲しくなって買ってしまったのだ。
まだ時期は先だけど、花壇のスペースが余ったら絶対に植えよう。
「じゃあまた学校でね。」
「おう、またな。」
平和島くんの背と同じくらい高く育つかな、なんて考えながら、私は帰路についた。