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いつものように登校してくると、隣のクラスがやけにざわついていた。
その中で一際慌てている女子を見つける。
そいつが廊下に出てきたところを呼び止める。

「どうかしたのか?」
「か、門田くん…!菜緒が…」

菜緒、静雄の彼女だっつって画像を上げられていた子の名前だ。
名字は…中西って言ったっけ。

この子は確かその中西菜緒さんの友達の…

「これ見て!」

見せられたのはケータイ画面。

"平和島静雄の彼女らしき人、今攫われてった!"

そんな文面と共に添付されている、中西さんが車に連れ込まれかけている様子が写った画像。

思わず教室内に静雄の姿を探す。
まだ来ていないようだった。

「あいつケータイ持ってねぇよな…」

自分のケータイを開き、なんとか場所がわからないかと操作しながら走り出す。


『中西菜緒っつー女子なんだけどよ、すげーいい奴でさ、俺なんかにも普通に接してくれるんだ』


そんな風に嬉しそうに話していた静雄の顔が浮かんだ。


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