21ー2
翌朝、俺は嫌な予感を拭い切れないまま菜緒の家へと向かった。
目的地まであと少しという時、前方に見覚えのある物が落ちていることに気がついた。
鼓動が早まり、冷や汗が流れる。
「違うよな…」
恐る恐る近づき、手に取る。
「…っ」
呼吸が止まる。
空いている手で押しつぶされそうな胸を押さえる。
震える脚をなんとか奮い立たせ、俺は走った。
菜緒がいつも履いているスニーカーの片方を握り締めながら。
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