18

次の日学校に行くと凄い形相でまこちゃんが駆け寄ってきた。

「菜緒!」
「どうしたの、何かあった?」
「菜緒ちょっとした有名人になってるよ!!」

目の前に差し出されたケータイの画面を見ると、臨也くんに頼まれて静雄くんをなだめに行った際の光景が隠し撮りされた写真があった。

「これ、昨日の…」

眉をひそめながらスクロールしていくと、そこには”平和島静雄の彼女発見!”の文字。

「なにこれ!?」
「でさ…コメントに…」

まこちゃんが横からコメント欄のボタンを押す。
表示された文字列に、思わずスカートの裾を握る。

「平和島くんって結構いろんなところに恨み買っちゃってるみたいでさ…」

”この子人質に取れば楽勝じゃん”
”この制服来神だろ?”

「だ、だから今日さ、みんなで一緒に帰ろう!みんなで!」
「あ、りがとう…」

精一杯笑いながらまこちゃんに言う。

手が震える。

まだ教室に静雄くんの姿はなかった。


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