10

ついに恐れていた日がやってきてしまった。

中西は俺のこと知らないからこそ、普通に接してくれている。
複雑な想いはあったが、何よりも中西と過ごす時間が楽しかった。
キレないようにすればいい、暴れないようにすればいい。
なんて、できもしないことを考えながら過ごしてきた。

それなのに。



元より今日は、朝からずっとイライラしていた。登校中にイチャモンをつけてきた奴らがその原因だ。
そして昼休み、あいつに会ったことによって完全にキレてしまった俺は、我を忘れて暴れまくった。

そいつの名前は折原臨也。
入学して少し経った頃、新羅が紹介してきた奴だ。
臨也とは会ったその日に殺し合いの喧嘩をしたほど、反りが合わなかった。

今日も喧嘩しなきゃならねぇのか。
学校の外にまで及んだ昼休みの喧嘩。
俺はいつ引き抜いたかもわからない標識を手に、臨也を追いかけた。

気づいたら校内へ戻ってきていたんだが、その中であいつは中西と俺で世話をしている花壇を荒らしやがったんだ。

あぁ、俺の怒りって上限ないんだな。
そんなことを思った時。
視界が、校舎の陰で呆然と立ちすくんでいる中西を捉えた。

目が合うなり震えながら座り込んだ中西。
怯えたような視線が突き刺さる。瞳には涙がゆらゆら揺れていた。

目の前が暗転する。


また俺は同じことを繰り返すのか。


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