(燐と)

「うおーい、課題もってきたぞー」
「ん、そこ置いといて」

なまえは机から顔を上げず報告書にペンを走らせてる。
なになに、上級のキメラ2体と遭遇、中二級祓魔師が負傷し、ってキメラってなんだ?

「あとで調べたら?」
「あ?」
「声出てた」

おわり、と報告書にサインしたなまえはすぐに課題の採点に取りかかる。
俺達よりひとつしか違わないのになまえはいつも忙しそうだ。
また任務もあるんだろう。いいなぁ、俺も連れてってくんないかなぁ。

「駄目」
「なにが?」
「だから声出てる」

苦笑するなまえは机の端にあった黄色い箱に腕を伸ばす。
味気ない香りに寂しい見た目。

「なぁ、いつもそれ食ってるけど上手いのか?」
「不味いよ?ただの非常食。ゼリー系よりお腹にたまるから選らんでるだけ。作ってるひまもないしさぁ。そんなに好きじゃないんだけどね」

さくり、とスティック状の栄養を補給するなまえに俺は納得いかない。

「なぁ、任務出るの何時だ?」
「ん〜、一時間後」
「そんな不味いの食うのやめろよ。俺が栄養満点の弁当作ってやるし、」

え、ぽろり。落ちた粉末が課題の上に散る。俺は黄色い箱を取り上げて、胸を叩いて背筋を伸ばした。

「なまえが言えばいつでも作ってやるよ!」
「燐・・・結婚しようか」

そうなまえが笑ってくれるから、本当に結婚してもいいって思ってるんだぜ?

20110727 カロリーメイト系女子