(燐と)

私はくうるりと回転する中、視界を占める空の青さに見惚れながら空中を舞っていた。
それでいて私を手放してはくれない重力に引き寄せられて、私の体は地面に向かって落下していく。
視界には空の青さの次に、戦闘による硝煙と土煙と、私を見上げるしえみちゃんや勝呂くんの真っ青な顔が次々見えた。
あはは、あとで笑ってやろう。
空中でのバランスの取り方なんて知らない。
スカートとリボンが風に遊ばれてばたばたうるさい。
私は手足を投げ出したまま風の音を聞く。

「なまえ!!!!」

近づいてくるのは青い炎を纏った燐の姿だった。こわいかお。
私は腕を伸ばす。燐もまた手を伸ばし、そうして私をしっかり抱き止めた。

「なにやってんだ!!」
「あはは、燐息ぴったりだったね」
「はぁ!?」
「大丈夫だよ。信じてたもん」

命綱がなくたって、私には燐がついてる。

「燐は私の最高のパートナーだよ」

強くその胸に飛び込めば、当然!!と笑う燐が腕の力を強くした。

20110930 空中ブランコ