寝ている彼女に告白練習


▽夏という忌まわしい季節は去り、風が少しずつ冷たさを帯びてきたこの頃。

陽がのぼり間も無い頃、珍しくパチリと目が覚め、辺りを見渡す。
陽の光が苦手な為、暗く陰湿な所に家を建てている為にまだ部屋の中は少し暗い。


▽ぷにっとした柔らかい感触、その触れた指先に視線を追いやれば
そこにはまだ熟睡中のミラの姿。

いつも白く整ったふわふわな髪は寝返りをうった為かあちらこちらに広がっていてる。
そんな事お構いなしなのか、寝顔はまだ幼い子供の様にすーすー寝息をたてている。

こんな子がまた起きればいつもの様に、家事や仕事ができ、面倒見のいいお姉さんみたいな感じになると思うと、
早起きしてこんな姿を見れた事に少しお得感を感じられる。


▽コップに注いだ水を一口で飲み干し、二度寝を決め込む前にもう一度彼女を見やる。

先程までに比べて比較的明るくなってきた為徐々に鮮明に見えてくる彼女の姿。
服は少しはだけ、白く透き通るような肌があらわになり、思わず唾を飲み込む。

はだけた服を戻そうと手を伸ばすも、なかなかシビアな所の為、当然へたれな俺には触ることさえできない。

結果何もできないまま悶々と時間だけが過ぎ、あらわになった肌もそのまま。
こんな事滅多にない為、おかげで俺の眠気はサッパリと消え、無理に彼女を起こすのも申し訳ないから再び布団に潜る。


▽何気なくふと思いついた考え、寝ているミラに告白してみよう作戦。

バリッバリの背徳感に迫られながら、そっと手を伸ばし、
ぷにぷにとしたほっぺを親指で優しく撫でるように触れる。

すでに俺の心臓はバクバクで、ここからが本番だと言うのに情けない。


▽心の準備を決め、その時は来た。
彼女の白い前髪を掻き分け、そっと顔を近づける。

君が俺を嫌いになっても、例えこの世界で一人になっても、その笑顔を守る為だったら何度這いつくばっても立ち上がって、守ってみせよう。

普段言えないような恥ずかしい言葉を内に秘め、そっと額に唇を落とす。



▽ほんの一瞬の事でも、なんだか時が止まった様に思えた。

少しぽけーっとしているとさすがに起こしてしまったか、目を擦り起き上がり、こちらを見て少し驚いた顔で

「あらナナシ、早起きなんて珍しいのね」

「うん、おはよう」

まだ眠そうにあくびをしているが、ギルドに向かう準備を始めるミラ、さすが…二度目を決め込む自分とは全然違う。

色んな姿を見れて、早起きもなかなかいい物かも知れない。


▽今はまだ君の前では何も言えないヘタレだけど、いつかはきちんと伝えたいから。

だから早起きできた時だけでも、寝ている君に告白の練習しちゃダメ…かな?


▽後日談

ラクサス「おいミラ、こいつ寝てるお前で告白練しゅ…」

ナナシ「わーーーーーー!!!!わーーーーーー!!!!わーーーーーー!!!!」

ってな感じでベルトでラクサスをビチバチSMプレイするナナシです。


 

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