Title/部屋とかぼちゃパンツと子牛
Presented by H
 


 
「とうしろ、」
 
柔らかい声で呼ばれて振り返ると、銀時が何か企んでいる顔でおいでおいでと手招きしている。
 
晴れた午後である。小さな体を一生懸命に伸ばし、洗濯物を干すとうしろうと、ソファに横になってうつらうつらしている銀時。平和な午後の風景だ。
 
「おいで、」
 
目を細めにやにや笑うその顔に警戒心が湧き上がったが、銀時に呼ばれたことが嬉しくて、とうしろうは洗濯物を放り投げた。踏み台から飛び降り、ソファに寝転んでいる銀時の胸に飛び込んだ。ベランダに干されたかぼちゃパンツがひらひらと舞っている。
 
「なんだぎんとき!」
 
小さなしっぽをぶんぶん振って銀時に跨るとうしろうの頭を撫でて、銀時はとうしろうを持ち上げた。高い高いのような格好である。
 
「とうしろ意外と重いなあ」
 
「もうすぐ6ヶ月だからな!」
 
とうしろうは得意げな表情を浮かべた。
 
「よいしょっと」
 
銀時はとうしろうの体を裏返し、腰に左手を当てて片手でとうしろうを支えた。
 
「なにすんだよ!」
 
ぎゃーぎゃー文句を言うとうしろうをよそに、銀時は牛柄のミニスカートをぺろんとめくった。
 
「わー!やめろよ!変態!動物虐待!ばか!」
 
小さな手足をばたつかせるとうしろうをなんとか支えながら、銀時はかぼちゃパンツのお尻部分をしげしげと眺めている。
 
「あーこうなってんのか」
 
かぼちゃパンツからちょこんと飛び出たしっぽの付け根をたどると、パンツにしっぽを出すための穴が空いている。スカートも同様だ。
柔らかいパンツをぱふぱふ叩くとしっぽがぴくぴく動くのが楽しくて、銀時はとうしろうの抵抗をよそにパンツを手のひらで叩いた。
 
「よくできてるなあ」
 
満足した銀時はとうしろうを下ろして胸の上に載せた。
 
「失敗パーマ!変態!糖尿!」
 
顔を赤くし涙目で銀時の胸をポカポカ殴るとうしろうの頭を撫でながら、銀時はまた船を漕ぎはじめた。
徐々に深くなる銀時の寝息に吸い込まれるようにとうしろうも銀時の胸の上で丸くなって目を閉じた。
 
窓の外ではおしりに穴が空いたかぼちゃパンツが風にはためいている。