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05

あのコンパの日から、忍足くんと連絡をとるようになった。と言ってもメールのやり取りがほとんどだけど。

そういえば、家族以外の男の人とこんなにメールするのは久しぶりかもしれない。

学部が学部なだけに、取り巻く環境は同性よりも圧倒的に男の人が多い。だから業務的な連絡はよくするけど、だからといって込み入った話をするほど仲が良い人もいなかった。

でも忍足くんは何だか違う。文面からもその人の好さが滲み出ているというか、やっぱりいい人だ。

今も送られて来たたこ焼きの写真に思わず頬が緩む。


「〇〇なに笑ってるの?」

「ううん。何でもないよ」


咲の指摘に、携帯を閉じてポケットにしまってそう答える。


「そういえば、この前の彼とはまだメールしてんの?」

「忍足くん?うん。忍足くんのメール面白いんだよー」


そう言うと急にニヤニヤし始める咲。


「〇〇が男とメール何て。恋の訪れかなあ〜?」

「そっ、そんなんじゃないよ!!友達だよ、友達!!!」


怪しいわーとけらけら笑いながら言う咲に、「違うから!」と念を押すが軽くあしらわれてしまう。

そんな事をしていると携帯のバイブが鳴る。

携帯を開くと新着メールが一件。

送り主は今話題になっていた忍足くんからだ。


《今日時間あったら一緒に飯でも行かへん?》


何とお食事のお誘いだった。

メールを覗き見た咲はまたニヤニヤする。

視線を感じながらも返信を打つ。


《大丈夫だよ!どこに行けばいい?》


するとすぐに返事が来た。


大学の正門に17時半。

了解と返事を送り、メールを終える。


「やっぱり恋の訪れやな」

「忍足くんは優しいんだよ」


少しドキっとしたのはここだけの話。



(早く会いたいと思うのは何故?)