06
17時半になり正門で忍足くんを待つ。
「△△さん!待たせてしもたな。」
「ううん、大丈夫だよ。私も今来たばかりだし。」
「ホンマ?ならええんやけど…ほな行こか。」
忍足くんと2人並んで歩き始めた。
「そういえばどこのお店に行くの?」
「それは着いてからのお楽しみやで」
ニカっと本当に気持ち良いくらいの笑顔をする忍足くん。
見てるこっちまで元気にしてくれるなあ。
* * * * * * * * * *
「着いたで」
どうやら着いたみたいなのでお店の中に入る。
初めて来た所だったけど忍足くんがスマートに対応してくれる。
店員さんに案内されたのは2人には丁度良い位のオシャレな個室だ。
「ここめっちゃ美味いんや。値段も財布に優しいし」
「そうなんだ」
メニューを見ると、本当だ美味しそう。
個室の中を見渡しても、何気なく飾ってる絵とかも凄くお店の雰囲気に合っている。
「△△さん決まった?」
「うーん…ちょっと迷ってる」
若鶏のグリエか白身魚のポワレ。
普段魚ばかりだから偶にはお肉にしようかな…。
「焦らんでも大丈夫やで。ゆっくり決めてや」
忍足くん本当に優しいな。
「ありがとう」
笑ってお礼を言う。
すると忍足くんの顔はほんのり赤くなる。
思わず心配になり見つめると更に顔が赤くなっていく。
「大丈夫?」
「大丈夫やで!!ホンマ大丈夫や!!!」
忍足くんって赤面症なのかな?
(顔が赤くなるのは誰のせい?)