対 秋葉名戸学園



「と言うわけで!」

「苗字で〜す」


全員が揃った所で、僕はサッカー部の皆さんに自己紹介をする事に。
僕の隣にはキャプテンさん…『円堂 守』さんがいる。

まあ、春奈と豪炎寺修也はいないみたいだけど。
僕に取ってそれは好都合なんだけどネ!

豪炎寺修也はタクシーで自宅に帰ったそうだが、春奈の行方は誰も知らないらしい。
ま、校内にいる事は間違いないみたいだし、心配しなくてもいっか。


「此奴が、円堂と豪炎寺が言ってた“光のストライカー”?」

「何?悪い?」

「まあまあっ」


11番の人…『染岡 竜吾』さんが僕に向かってそう言った。
僕がそう返すと、6番の人…『半田 真一』さんが僕と染岡さんの間に入ってそう言った。

先程サッカー部の皆さんの名前を聞いたので、とりあえず全員把握したつもり。
試合を見に行ってるから顔も覚えてるよ。あとは名前を一致させるだけ。


「次の対戦相手は決まったの?」

「まだよ」


僕がマネージャーさん…『木野 秋』さんにそう尋ねる。


「地区予選準々決勝の『尾刈斗中』対『秋葉名戸学園』戦、この試合に勝ったチームが準決勝で戦う事になるわ」


ホワイトボードの横に立つ木野さんの言葉を聞いて、尾刈斗中って所を思い出す。
…ああ、失礼な監督と、“ゴーストロック”の所か。
部室の壁に寄りかかって腕を組み、尾刈斗中について思い出す。


「猛特訓の末に、相当戦力を強化したそうよ?」

「彼奴らが更に特訓を…?」


木野さんの言葉に染岡さんがそう答えた。
サッカー部、苦戦してたもんねー。不安になって当たり前か。


「で?相手の秋葉名戸学園っていうのは、どんなチームなの?」


雷門夏未が木野さんにそう問う。
確かに、秋葉名戸学園って所がどんなチームなのかは、戦う相手になる可能性もあるし、情報があるなら知っておきたい。


「学力優秀だけど、少々マニアックな生徒が集まった学校…。フットボールフロンティア出場校中『最弱』の呼び声が高いチーム……」


あれ?木野さんが持ってるメモ帳、春奈のメモ帳だよね。どんだけ調べてんだよ彼奴……。ちゃんと寝てるのかな。
と、今ここにいない春奈の事を思い浮べていると、読み上げていた木野さんが驚いた声をあげる。
なんだ?と思って木野さんを見ると、メモ帳を見て顔を真っ赤にしていた。


「尾刈斗中との試合前に、メイド喫茶に入り浸っていた……ですって!」


顔を真っ赤にさせながら木野さんはそう言った。
……顔を赤くさせる所、あったかな。





2021/02/18


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